登檣礼

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バルト海にて -黒船・序章- (中)

坂道を駆け下りる間も砲声は大きく、よりはっきりと聞こえていた。
ただその直後に聞こえる衝撃音が、桟橋や建物にぶつかる音ではなく海面への着水音であることは、少なからず俺を安心させた。

南門をくぐる頃にはもう町は臨戦態勢に入っており、海賊の上陸に備えている。
俺はそのまま一直線に港への道を駆け抜けた。


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[ 2012/07/16 17:33 ] 書き物 | TrackBack(0) | Comment(1)

バルト海にて -黒船・序章- (上)

セビリアの閑静な商館地区。
白壁の間に延びる青々とした空から、傾きつつも白く熱い太陽が見下ろしている。
3番商館は珍しく人で賑わっていた。カウンター内には書類の山を相手にしかめっ面をしている秘書、彼と対するところには頬に傷のある軍人風の男。その近くのテーブルに若々しい駆け出しの商人、その向かいにも同じく駆け出しの冒険者と思わしき若者。その2人を両手に見る位置に小柄な褐色の娘が座っている。さらに少し離れた(といっても剣を翳せば届くくらいの)ところには赤銅髪の男が柱に寄りかかって立っていた。

先ほど褐色の娘が長旅から帰ったばかりで、彼女の土産話を聞いていたところだった。
「さて、ひとまず私の話はおしまい。私も君たちの話が聞きたいんだ。何せ久しぶりだからね」

彼女は持参した琥珀色の瓶、ではなくもう一方の透明な角瓶の口を切り、皆のグラスに注いで回った。もちろんしかめっ面の秘書にも。
「いえ、私はまだ仕事が・・・」
「ちょっと一休みしようよ。根をつめすぎるとミスの元だよ」
ゴブレットを引っ込めようとする秘書の手を制し、透明に輝く液体を半分くらい注いだ。
「ほぉ、これは・・・ジンか? いや香りが違うな」
赤髪の男が言った。
「おそらく、ウォッカでしょう。北欧のフレーバードの一種かと」
若い冒険者が続けた。
「おお、するどいね。そのとおりフレーバード・ウォッカだよ。ちょっと前にリガへ行ったときにね、たまたま持ってたワインと交換したんだ。読めるかな?」
娘が瑠璃色の目を大きく見開き、瓶を彼の前に突き出してみせた。
「えーと・・・ズ・・・ジョ・・・? ・・・ウォドゥカ・・・?」
彼は目を凝らしたり見開いたりしながら、その見慣れない言語を懸命に読もうとしている。娘はそんな姿を見ながらケタケタと転がるような笑い声をあげた。

徐に、軍人風の男が口を開いた。
「フレーバード・ウォッカか。そういえば、バルト海でちょっとおもしろい経験をしてきたんだ。その話でもしようか」
「うん! 聞きたい聞きたい!」
娘は首だけ男のほうへ向けると、パッと華やいだ声で話を促した。



[ 2012/07/13 00:17 ] 書き物 | TrackBack(0) | Comment(2)
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