登檣礼

登檣礼をすべての人に捧ぐ・・・

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錆付いたマスケット銃

「いらっしゃい、ご注文は?」
「ウィスキーをもらおうか。とびきりの美味いヤツを」
「あいよ」

一人の軍人らしき男が、ふらりとセビリアの酒場へやってきた。年の頃は30くらい、日焼けした艶やかな肌と、眩いばかりの金髪。すらりと伸びた体には薄汚れたコートをまとい、血痕とも錆ともつかない汚れを刀に残していた。歩くたびに広がる硝煙の香りが、彼が戦場から帰ったばかりだということを物語っている。
「お待ちどう。新しいバーボンだが、味は保証するぜ」
マスターは男にグラスを差し出した。
「バーボンに外れは無いさ。……ふむ、いい香りだ」
男は目を閉じ、グラスを顔の前に持ってくると、深く息を吸い込んだ。
そもそもセビリアの酒場ではウィスキーの類は出していない。しかしある商会の会員には、仕事終わりには特別に一杯のウィスキーが振る舞われるのだ。この男もその商会の一人、いや、彼はその代表であった。

「私にも一杯くださる? 同じものを」
男の横に、貴婦人が現れた。
「少々お待ちを」
マスターも見知った顔のようで、すぐさまボトルを手に取った。
「おぅ、おつかれ」
男は貴婦人に向かって軽く手を振った。
「おつかれさま……船降りてすぐここに来たのね。まだ硝石の匂いがする」
彼女は眉間にしわを寄せて言った。
「まぁな。このまま自宅やら商館に戻ったらそのまま寝ちゃいそうだったもんで。ところで、南蛮交易とやらは一息ついたのかい?」
男は貴婦人に訊ねた。
「ええ、今さっき戻ってきたところ。バルセロナで高相場だったわ」
「そうか、そりゃよかった」
「そっちはどう?オスマン討伐は終わったのかしら」
「ああ、俺の任務は片付いた。あともう1回くらい遠征が必要になるかも知れないんで、今副官に修理作業を急がせてるところだ」
「そう。しかし大変ねぇ、こうも優秀な軍人さんが次々と軍艦を痛めて戻ってくると、船大工さんも休む暇がないわね。造船所親方のぼやきも増えるわけだわ」
貴婦人は差し出されたグラスを傾けると、香りを確かめた。
「ふふ、バーボンはいいわね」
「商会の話かい?それともこいつか?」
男はグラスを指差した。
「両方、と言っておきましょうか」
貴婦人は肩をすくめて見せた。男も軽く肩をすくめると、グラスを呷った。
「そういえば、造船所の親方から面白いお宝をもらったわ」
「ほお、どんなお宝だい」
「アゾレスっていう町があるでしょう。あの町の漁師が底引き網で、これを手に入れたんだって」
「沈没船のお宝ってやつか。アゾレスってことはカリブとの中継地だから、金銀の類とかかな」
「違うわ、細工の施されたマスケット銃よ」
「マスケット銃? いくら細工があってもそれじゃ大したことないな」
「そう思うでしょ、親方もガラクタだって言ってたわ。でもね、私たちにとってはたぶん相当なお宝のはずよ」
そう言うと彼女は、1丁の錆付いたマスケット銃を取り出した。
「親方にはガラクタだったみたいだから、私が引き取ってきたわ」
「うむ……、錆びてるし細工が壊れかけてる。やっぱただのガラクタじゃないのかねぇ」
「よーく見て、ここ。読める?」
「どれどれ…」
貴婦人が指さす箇所を、男はじっと目を凝らして見つめた。錆の凹凸の中に、何か加工されているような部分があり、文字のようなものが彫られている…。


---AÇORES 1427 BourbonHouse Sevilla---


「こ、これは…」
「セビリアのバーボンハウスの刻印入りの銃よ」
「へぇ、1427年っていうと、今から100年くらい前か。そんな所縁のあるものがどうしてアゾレスに」
「1427年ってのはアゾレスが発見された年、これがアゾレスにあるってことは、発見時のメンバーにバーボンハウスに関係した人がいたってことじゃないかしら?」
「いやまさか、だって発見したのはポルトガルの艦隊だったはず」
「でも全員がポルトガル人だったとは限らないし、そもそもバーボンハウスは昔から多国籍商会だったのかもしれないでしょ」
「おぉ!そう言われてみればそうだ。これってすごい発見かも!?」
「これはサルベージに行くしかないでしょ!」
彼女は目を輝かせて男に言った。
「よし、会員集めてサルベージに行こう!」


翌日、セビリアの3番商館には1枚の張り紙がされた。
『アゾレスにサルベージいくます(・x・)ノ』







とりあえず書いてみました。
ミッタマさんとリリさんという設定で。

時間かければもう少し練れるかもだけど、即興らしく行くには1,2日で書いたほうがいいよね!
お題はまだまだ募集しますよん。立て続けに来たら時間かかるかも^^;


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[ 2010/02/03 01:12 ] 書き物 | TrackBack(0) | Comment(8)
おお・・・
自然すぎて最初気づかなかった件。
アナゴ氏の文章は、自分の中でバイオリンとピアノのジャズを彷彿とさせます。
これ面白いなぁ。
やってみよかな。
同じ御題で色んな人が書くのも面白いかも?
ちょっとこの御題で書いてみますヽ(・∀・)ノ
[ 2010/02/03 03:58 ] [ 編集 ]
いいですね~この登場人物はだれだろう?って思いながら読むのは楽しいですw
[ 2010/02/03 11:51 ] [ 編集 ]
たぶんこれはたわしがモデルじゃないかと最初で感じてました。

思わず職場でニヤリ。

さっそくかいてみるとしましゅ・x・




[ 2010/02/03 12:33 ] [ 編集 ]
なかなか好評なようで、うれしいです♪
同じお題でいろんな人が書いてみるのは面白いかもですね。

完全な自由課題だったり、テーマが絞られてたりすると、結構書きにくかったりします。
3つのワードっていうのはちょうどいい縛りなんですよねぇ。
さぁみんなも書いてみるんだ!
[ 2010/02/04 01:30 ] [ 編集 ]
アナゴさんの文才に嫉妬してしまいそうです。

・・・それでも無理を承知でやってみようかな・・・。
[ 2010/02/05 00:56 ] [ 編集 ]
ロドさんのも読ませてもらいましたぜ。
十分いけるじゃないですか^^
[ 2010/02/06 02:53 ] [ 編集 ]
読ませていただきました^^
二人の酒場でのシーンがDOLの風景そのままに目に浮かぶよう・・・。
海の中からバーボンハウスの刻印の入った銃が見つかるなんて浪漫を感じるステキなお話ですね。
続きが読みたくなりました(ぜひ書いてくださいね・x・♪)
[ 2010/02/06 19:15 ] [ 編集 ]
chiiさん
いらっしゃい♪
続きのお話はNeyaさんが書いてくれてますのでぜひ行ってみてください。
[ 2010/02/07 00:23 ] [ 編集 ]
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